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月神の恋人 【鬼滅の刃 黒死牟 R18】

第10章 ※雷が結ぶ夜※


(・・・・)

企みが、むくりと鎌をもたげる。頭を撫で続ける手はそのままに、唇の端をほんの少し歪めた。

「さっきの顔と言い・・・、まるで子供だな・・・」

先程、部屋を訪れた時の、青ざめた今にも泣き出しそうな顔。そして今の、必死にすがり付いてくる様。

「子供ではありませんっ。雷が苦手なだけです。本当に怖いんですっ」

揶揄するような口調に、キリカがガバッと顔を上げる。またしても、からかわれた。

必死の抗議も黒死牟には何の効果も成さない。袷を握り締めるキリカの膂力に内心、苦笑する。

(こういう所が・・・、子供だと言うのだ・・・。だが、強がるのも悪くはない・・・)

含み笑いをした黒死牟がキリカに囁きを落とした。

「では・・・、子供ではない事を明かしてもらおうか・・・」

「・・・・?」

薄く開きかけたキリカの唇を塞いだ。舌を潜り込ませ、キリカの舌を捕らえた。

「はぁっ・・・」

長い長い口付けに息が続かず、キリカの頭の芯が痺れてきた。逃れようと唇を離したが、黒死牟は有無を言わさず再び口付けした。

「逃げるな・・・」

キリカの両手首を片手で掴むと、袷に手を掛けた。引きはぐように夜着の前を暴き、乳房を露出させる。

「巌勝様っ・・・」

キリカの首筋に牙を押し当てるように、黒死牟は強く吸い付いた。

「んぁっ・・・」

刺すような刺激に、キリカが顔をしかめる。が、黒死牟は力を緩めない。それどころか更に力を込めた。

濡れた音を立てて、唇が離れた。其処には鮮やかな赤い花が咲いていた。

「此方にも刻んでやろう・・・」

仕上がりを確認すると満足げな笑みを浮かべた。ゾッとする程、凄艶な笑みだった。

反対側にも強く吸い付いた。鮮やかな赤い花が、もう一つ咲く。

「美しい・・・。すべて私のものだ・・・」

キリカを前屈みにさせると、両手を床につかせた。剥き出しになった首筋、肩、背中。唇を押し当て、痕を刻み付けていった。

染み一つない白磁の肌に欲望の印を刻む。それは背徳的な行為に似ていて、黒死牟はもっとキリカを責めたくなる。

「んっ、あっ・・・」

キリカの唇から艶っぽい吐息が漏れた。肌に口付けられ、身体の奥に熱が産まれる。







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