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月神の恋人 【鬼滅の刃 黒死牟 R18】

第5章 ※雨の蜜夜 とこしえの契り※


「構わぬ・・・」

囁きと共に、今度は一層、深く激しい口付けをした。

「んっ・・、これ以上は駄目ですっ・・・」

息が出来ず、キリカの頭がくらくらしてきた。心と身体が内側から熱くなっていくのを感じ、キリカは困惑していた。

「黒死牟・・様・・」

力が抜け、膝から崩れ落ちそうになる。黒死牟にもたれ掛かり、何とか堪えた。

「キリカ・・・」

やり過ぎたか、と黒死牟は慌ててキリカを解放した。ようやく解放されたキリカは、潤んだ目で黒死牟を見つめている。

どうして、こんなにも愛おしいのだろうか。

黒死牟もキリカを見つめていた。目の前の少女が愛しくて、時折、己に歯止めが利かなくなりそうになる。それが怖かった。

「申し訳ありませんっ。もう行きます。夕刻までには戻りますから・・・」

「分かった・・・。引き留めるような真似をして悪かった・・・」

「いいえ、気にしないでください・・。では、行って参ります・・・」

名残惜しさをふりきるように、キリカは早足で出ていこうとした。

「キリカ・・・」

廊下を半ばぐらいまで進んだ所で黒死牟に呼び止められた。振り返り、続く言葉を待つ。

「気を付けて行ってくるのだぞ・・・。もし、何かあったら私を呼べ・・・」

「ありがとうございます。行って参ります」

明るく微笑んだキリカは手を振ると、玄関に向かって歩き出した。

(杞憂で済めばよいが・・・)

顔を曇らせたまま、キリカの後ろ姿を見送った。何事も起こらぬよう、それだけを祈りながら。



「黒死牟様ったら・・・・」

昨夜、黒死牟と心を通わせあったばかりだ。何かが変わったような、変わらないような、不思議な気分だった。

もっと好きになりたい。もっと好きになってほしい。もっと求めてほしい。

「・・・・っ」

求められた先の行為を想像し、キリカの鼓動が一気に跳ね上がった。歩みを止め、立ち尽くしてしまう。

(朝から、こんな事を考えてはいけないわ・・。それより早く行かないと遅くなってしまう)

とんでもなく、はしたない想像にキリカは赤面しながらも歩みを速めた。





















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