第3章 「行き先には、何がある?」
─柚菜─
渡邉先輩と別れて、だいぶ時間が経ってしまった。私は、涙を拭いて立ち上がる。
私は、奥の方に向かう。そこは、先輩の言った通りの僅かな隙間があった。
それも、私が隠れるスペース分しかない。そして、よく見るとそのスペースの所に小さな人形があった。
私は気になって、その人形を拾う。それは、とても可愛らしいかった。
金色の髪で、目がエメラルド色だった。クリクリの大きな瞳の人形。
此処に、あるのは少し不気味だが……それでもまだ可愛かった。
私は、その人形を持って図書室を出る事にした。
(…………先輩、大丈夫かな?)
私の頭の中では、渡邉先輩の事を心配していたのだった。