第3章 「行き先には、何がある?」
俺は、叫んで賢厘に言った。
「走れ!賢厘!!」
賢厘が、動くと同時に俺も走り出した。その後に付いて来る2匹の犬と少女。
「せ、先輩!どうしますか!?」
走りながら慌てている賢厘。俺は、走りながら頭の中で色々と考える。そして……。
「二手に別れよう。必ずどっちかが、来るハズだ。いいか、死ぬなよ!」
俺がそんな事を言うと、賢厘はニヤリと笑い言った。
「わかりました!先輩を信じます!先輩も、死なないで下さい。」
俺と賢厘は、中庭から出られる扉をくぐり抜けて、左右に別れる。
俺の後ろから、少女が追いかけて来る。この様子だと、犬が賢厘の方向に行ったに違いない。
俺も全力で、走り抜ける。そして、近くにあった扉に手をかけ開ける。この扉は、簡単に開き、俺は入る。
其処には、色々なダンボールや謎の箱まであった。俺は、急いで自分が入れる大きさの箱に入る。
そして、箱の蓋を閉める。暫くして、ガチャと扉が開く音が聞こえてきた。
俺は、息を殺し気配を完全に消す。僅か数秒後、扉が閉まる音が聞こえてきた。
俺は、慎重に箱から出て辺りを見回す。あの少女が居なかった為、俺は息を吐き箱から出るのだった。