第3章 「行き先には、何がある?」
─創─
俺は、今まで走っていたせいか、息がかなり上がっていた。一旦、立ち止まり息を整える。
そして、歩き扉を探す。その目的の扉がすぐに、見つかり開ける。
赤い薔薇が、沢山咲いてやっと中庭に出たのだと思った。そして、目の前に賢厘らしき人が、見かけて追いかける。
賢厘の後を付いて行くと、立ち止まった。俺は、後ろから賢厘と呼ぶと、ビクッと震えたが、振り向く。
俺の顔を見た瞬間、少し安心した表現をした。俺は、苦笑しながら賢厘の隣に並ぶと、驚いた。
誰かのお墓だった。
「賢厘……これは………。」
「僕にもわからないです。さっき人影を見て、来たらこれがあったのです。」
賢厘は、俺に説明をしてくれた。というか、人影って誰だったんだ?俺は、そんな事を疑問に思った。
俺は、お墓に近づきよく見る。しかし、お墓には何も書かれていなかった。
いや……書いてあったが、文字がかすれていて読めないだけだった。
「賢厘、梭業達は?」
俺が、質問すると賢厘は首を横に振るのだった。
「先程まで、坩崎先輩と居ましたが頭蓋骨に追いかけられて、はぐれてしまったのです。」
そうか……坩崎と一緒に居たのか、と思っていた。梭業は、無事なのかと思っていた。
賢厘は、俺を見て言った。
「梭業先輩の事が、心配ですか?」
「まぁ………な。」
俺は、素直に答えた。俺……いや、俺達は暫く、そのお墓を眺めていた。