第3章 「行き先には、何がある?」
─春─
いつの間にか、賢厘と別れてしまった。それも、一瞬の出来事だった。気がついた時には、既に私1人となっていた。
不安な気持ちでいっぱいだった。また、あの頭蓋骨に襲われたら……などと色々最悪な方向に考えていた。
「………どうしよう。何処かの部屋を探すしかないよね。」
私は、そんな風に弱々しく言い、重たい足を動かす。そして、1つの扉を見つけた。
そして、ゆっくりとその扉を開ける。其処には、謎の部屋だった。
何も置かれていない部屋。恐らく、何も使っていない部屋だ。
「何、この部屋?」
私の頭は、疑問にいっぱいだった。私は、仕方なく諦めて、この部屋を出ることにした。
その時、ベタベタっ!と激しい音が聞こえてきた。思わず、肩を震わす。嫌な感じがした。
ゆっくりと振り向く。そこには………。
「ヒトリ、ニ、シナイデ………。サミシイ………。」
赤い文字で、壁に書かれていた。最初は、とても驚いたがメッセージを見る限り、とても悲しい感情だと思った。
「………可哀想…。」
私は、そんな風に呟く。そして、再び扉を閉めて別の所へと目指す。