第3章 「行き先には、何がある?」
─柚菜─
私と渡邉先輩と、廊下をのこのこと歩いていた。暫く歩いて、1つの扉が目に入り、ドアノブに手を伸ばす先輩。
しかし、ガチャガチャと音を立てるだけで、扉は開かなかった。どうやら、鍵が掛かっているみたいだった。
「どうする?」
先輩は、困った表情をして私を見る。私は、少し考えてふと思い出し、顔を上げる。私は、ポケットから古い鍵を取り出す。
「何処の鍵かわからないですが、もしかしたら使えるかもしれません。」
私は、そう言ってその鍵を先輩に渡す。先輩は、素直に受け取り鍵穴に入れる。そして、回す。
ガチャ………。
僅かな音が、聞こえてきた。鍵が開いた証拠だ。私達は、お互いの顔を見て、笑い扉を開ける。
其処の部屋は、本が沢山あった。図書室と言ってもいいかもしれないほどあった。
私達は、ゆっくりと入り辺りを見まわす。やはり、本だけだった。
「…もしかしたら、何かヒントがあるかもしれねぇ。探すか。」
「はい!探しましょう!」
私達は、早速お互いに行動を始めた。