第3章 「行き先には、何がある?」
─柚菜─
私は、渡邉先輩とこの部屋を色々と探索をしているが、なかなか手がかりない。
先輩は、頭をポリポリと掻きながらポツンと呟く。
「…この部屋はハズレか?」
「…………そうみたいですね。他の部屋を探索しますか?」
「ん~………。そうだな。」
私の提案に、頷く先輩。やはり、他の皆も心配だった。その時、渡邉先輩の手が私の頭にポンと置かれる。
「…そんな心配するな顔をするな。皆は、無事だ。」
どうやら、私は顔に出るタイプのようだとわかる。私は、コクリと頷くと、先輩は無邪気に笑った。
そして、2、3回右腕を回し、よし!と気合いを入れる先輩だった。
「もし、変な奴が出たら俺が守ってやる。俺は、足が速い事が、自慢だからな!」
先輩の、言葉に私はクスと笑い言う。
「そうですね、流石エースです。」
私と先輩は、頷いて部屋を出る。