第3章 「行き先には、何がある?」
→真っ直ぐに行く。
また、僕は真っ直ぐな道に進む。迷っている暇などない。今は、とりあえず逃げる事だけに、集中してよう。
何か出たら、その時はその時で、別の事を考えよう。そんな思いをしながら、ひたすら走る。
頭蓋骨は、まだ僕を追いかけてくる。
「あー!早く消えろよー!」
僕は、叫びながら頭蓋骨に向かって言う。そんな事を言っても、仕方ない。
その時、一瞬で風景が変わった。
さっきの廊下に出だのだった。更に、あの頭蓋骨が追いかけてくる音も聞こえなくなった。
僕は、振り返るとそこには頭蓋骨の姿がなかった。その時、脳裏であの言葉を思い出す。
『迷うな、振り返るな、戻るな』
今になって思い出すとは、良いことなのか悪い事なのかよくわからない。
(………という事は、真っ直ぐが正解か。右や左行っていたら、僕はどうなっていたかな?)
僕が、そんな事を思いながら想像してしまう。こんな事を、考えてしまいゾクと震える。
僕は、首を左右に振り考えるのを止めた。
(……………先輩を探すか……………。)
僕は、足を再び動かし始める。
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