第2章 「交流と合流」
「渡邉先輩!無事ですか!?」
私が声を張り上げたせいか、渡邉先輩は少し驚いた表情をしていたが、頷いてくれた。
その事に、私はホッと胸をなで下ろす。渡邉先輩は、すぐに複雑そうな表情をして、いきなり私に向かって頭を下げる。
その行動に、私はただ単に驚いた。
「すまねーな。俺を探しに来てくれたみたいだが………。俺のせいで、皆に迷惑を掛けちまってるみたいだしな………。」
「せ、先輩!!顔を上げて下さい!!確かに、先輩を探しに来ましたが、誰もがこんな酷い予想なんてしなかったですよ!私は、気にしてません!!」
私が、驚きすぎたのか声がひっくり返してしまった。その様子から、渡邉先輩はぷはっ、と笑い出した。私は、何事かと思い首を傾げる。
そして、渡邉先輩は私の頭をワシャワシャと乱暴に撫でる。
「せ、先輩!!髪の毛が!!」
「悪い悪い、でも無事みたいでよかったな。お互いに!!」
私に向かって、渡邉先輩の最高の笑顔で言う。私は、ニコリと笑い大きく頷く。そして、渡邉先輩は気合いを入れ直すため、一旦大きく息を吐き…………。
「そんじゃ!この部屋を探索してから他の場所に、移動するか!!」
「はい!何かあるかもしれませんからね!」
渡邉先輩が、居てくれたみたいで私の気持ちは少し軽くなっていた。やはり、こういう場所は1人で居ない方が、いいと思っていた。