第2章 「交流と合流」
→右に行く。
俺は、右に行くことを決めて走り出す。俺の後ろから女の子が、ゆらゆらと浮かびながら追いかけてくる。
「ナンデイッチャウノ?ニゲナイデヨ。モシカシテ、オニゴッコ?イイヨ、オイカケルネ!」
それも、不気味な笑みを浮かべながら言う少女。俺は、一切後ろを振り向かず、必死に前に向かって走っていた。
陥没している床を、避けながら逃げる。それでも、少女は追いかけてくる。
俺は、ふと思った。
(……廊下って、こんなに長かったけ?)
ずっと、俺は走り続けている。だけど、さっきから同じ場所を通っているような気がした。
要するに、ループ状態となっていた。最悪な状況だ。何故、いきなりループになるのかが、わからなかった。
「オニイチャン、マッテヨーー!!クスクス………。」
ずっと、俺の後を追いかけてくる少女。どうやって、撒こうかわからなくなっていた。
はっきり言って、剛より俺の方が体力がない。いつかは、あの少女に捕まるかわからない。その事を考えていると、ゾっとする。