第2章 「交流と合流」
ダブルベッドの前で、奴は止まる。様子をうかがっているみたいだ。
(………お願い、早く行って。)
私は、そう願うように必死に祈る。すると、ズルズルと動き出した。ダブルベッドから離れていく。
ホッとするつかの間、ガタン!と大きな音が聞こえた。何事だと私は驚いていると…………。
「…………ぐっ、あ……………があ………。」
賢厘の苦しげな声が聞こえてくる。まさかだと私は、思っている。そう、そのまさかだった……………。
思わず、ダブルベッドから見えないはずの、机の方向を向く。上手く見えないが、床には赤の液体…………。血が私の目に映った。
奴、頭蓋骨は…………賢厘を…………食べていた。私の頬には、涙が流れ始めた。
「…………あ、………………け、んり……………。」
思わず、声を出してしまった。その瞬間、バタン!とダブルベッドが吹き飛ばされ、私の目の前に、あの頭蓋骨がいた。
奴の口には、赤く染まっていた。全て、賢厘の血だった。私はこの恐怖で体が動かなくなってしまった。
そして…………………。
「ひ………………。人殺し……………。」
それが、私の最後の言葉になり、頭に強い衝撃を受け、意識を失った。
→BAD END