第7章 「***********」
私が、拾ったのはあの図書室で見つけた、人形だった。とても、可愛らしい人形。
一か八かで、私は少女に人形を見せつける。そうしたら、少女の動きが止まる。
「ソノ…ニンギョウハ…………ワタシノ………。」
やはり、この人形は少女の物だと考えてもおかしくはない。そして、私ゆっくりと口を動かす。
「貴方は、もしかして澪香ちゃんじゃないの?」
「レイカ…………ワタシノ………ナマエ…。」
私の言葉に、反応する少女…いや……。澪香ちゃんだ。
その時だった。ガチャという大きな音を立てる扉……。
まさかと思い賢厘と私は、扉を見る。その瞬間、バタンといきよいよく扉が開く。
「賢厘、梭業ッ!!無事かッ!?」
夜利他先輩の声が聞こえ入ってくる。私と賢厘は、頷くと夜利他先輩は、ホッと息を吐く。
その後に、渡邉先輩や春が入ってきて私達の状況に顔色が変わる。
皆は、澪香ちゃんを見る。私は、静かに言った。
「澪香ちゃんは、ずっと独りぼっちで寂しかった?」
「ヒトリボッチ…………。」
澪香ちゃんは、やけに大人しかった。私は、澪香ちゃんに、人形を渡す。それを素直に受け取る。
「ワタシノ…………ニンギョウ…………。アリガトウ…。」
澪香ちゃんは、私にお礼を言う。澪香ちゃんは、優しく人形を抱き締める。余程、大切な物だとわかる。
恐らくこの澪香ちゃんは、ちゃんと成仏出来ていないからこうなったとわかった。
周りに居る犬などは、一切動かない。これも、澪香ちゃんが動かしたと言える。