第4章 「出口を探そう」
→殺さない。
渡しの頭は、ずっと拒絶をしていた。今の私じゃあ……誰も殺せない。
殺して……何の利益を得る?私は、そんな事を考えていた。
「嫌だ……誰も……殺したくない………よ………。」
私の頬には、涙が流れ始めた。賢厘は、私をぎゅっと抱き締める。
「先輩ッ!!しっかりして下さい!僕も、先輩を、殺したくないです!」
「賢………厘。」
私は賢厘の背中に、手を回す。すると、少女は、私達の前に姿を現す。
「ハヤク、コロサナイト……。ワタシガ、コロシチャウヨ?」
少女の言葉に、私達は顔を青ざめた。どうすればと…必死に頭を回転させる。
その時、ポトンと何かが床に落ちる。私は、其処に目線を向ける。
「こ………れ………。」
私は、それを拾い上げる。もしかしたらと、私は思っていた。
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