第4章 「出口を探そう」
→やっぱり賢厘を、殺す。
私は、息を呑み込み覚悟を決める。素早くナイフを取り、賢厘に向かって刺す。
これが、一瞬の出来事なのに、時間がかなり遅く感じていた。
私の手は、賢厘の血で染まっていく。賢厘は、涙を流しながら私を見る。
今でも、信じられないという顔をしていた。私は、ゆっくりと賢厘から離れる。
そして、クスクスと笑う少女………。
賢厘は、その場で崩れる。
「ごめん…………賢厘………。」
私は、そう言って扉を向かって走り出す。ドアノブを持ち、押す。
扉は、開かれる。やはり、この方法しかなかった。私は、唇を噛み締めた。
私の後ろから……僅かな声が聞こえてきた…。
「……………人殺し……ノ…………センパイ………。」
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