第5章 「*********」
私は、賢厘を犠牲にして扉を出た。其処には………。
「梭業ッ!!」
声を張り上げながら、私に近づく夜利他先輩。そう……先輩達が居たのだった。
春が、恐る恐る言った。
「賢厘は………どうしたの?」
私は、その言葉に心臓がドキッと跳ね上がる。私は、顔を伏せて弱々しく言った。
「賢厘は………私の目の前で………死にました…………。」
先輩達は、言葉を失う。そして、春は泣き出す。私は、無意識に春に抱き付く。
「ごめんね………ごめんね……………。」
私は、ひたすらに謝っていた。恐らく、私は賢厘に恨まれているだろう…と思っていた。
「…………帰ろう………。今度………花を添えよう………。」
渡邉先輩は、そう言って歩き出す。私達……3人は頷き歩き出した。
あれから…数ヶ月と過ぎていた。
私は、屋上に居て空を見上げる。あの後私達は、警察に連絡してあの洋館を調査してもらったが………。
其処で不可解な事が起きた………。
賢厘の死体が………………無かったことを………。
確かに、あれは私が殺したが…死体はそのままにした。
すぐに見つかるハズだが…それが見つからない。実に、おかしなことだ。