第4章 「出口を探そう」
→殺す事を諦める。
やっぱり私は…人を殺す事など出来ない。ましてや、大切な後輩だから………。
かと言って……此処から出る方法は…何も思いつかない。
どうしたらと……私は必死に頭の中を回転させる。すると、賢厘は一歩前と足を踏み出す。
私は、不思議に思い首を傾げる。そして、賢厘の行動に、私は驚いた。
彼は、ナイフを握り締め私に向かって振り上げる。私は、言葉を発する前に痛みが走り出した。
「っ………がぁ………あ………。」
私は、その場に崩れる。ナイフは、私の胸へと刺さっていた。
私は、痛みに耐えながら賢厘を見上げる。彼の表情は、とても悲しそうで、苦しげなものだった。
「あ…………あ………。僕は……………ご……めんな、さい…………。先輩ッ!!」
賢厘は、そう言って扉に向かって走り出した。これで、わかった…………。
私は、賢厘に殺されて…………皆に…………置いて行かれた…………。
私の頬には、大量の涙が流れる。感覚が、大分無くなってく、意識が朦朧としている。
「おいて……………行かれてしまっ……た………。…………オイテ………イカナイデ………………。」
私の目の前に、あの少女が立っていた。少女は、不気味な笑みを浮かべながらも……悲しそうな表情をしていた。
少女は、私を優しく包み込み言った。
「ワタシト………オナジ、ダネ…。ミンナ…ニ…オイテ………イカレテシマッタ……。」
私は、少女の言葉を最後に、重い瞼をゆっくりと閉じていった。
→BAD END