第4章 「出口を探そう」
→本当に、賢厘を殺す。
私は、震える手を抑えてナイフを取る。その行動に目を丸くさせる賢厘。
「先………輩?」
賢厘は、何とか私の名前を呼ぶ。それでも私は、顔を俯かせ………震える声で私は言った。
「ごめん…………ね。…………賢厘…………。」
私は、賢厘に向かってナイフを振り上げ…………。彼を刺す……。
ナイフは、賢厘の胸へと深く刺さっている。其処から、大量の血が流れ出す。
「な………………んで……………で…………すか…………?………せ…………ん、ぱい?」
賢厘は、悲しそうな表情をしながら私に問いかけてくる。私の頬には、涙が流れ出す。
そして、賢厘はその場で崩れていく。私の服は、赤く染まっていった。
全て………賢厘の血で………。
そして…………ガチャと鍵が開く音が聞こえてきた。
私は、迷わず扉に向かって歩き出す。そう…………私は、大事な………大切な………後輩を犠牲にして…………。
ドアノブに手を掛けて、扉を開けようとした時………。私の背後から……。
「先…………輩………。恨み……………ます………から、ね?………ボクヲ………ギセイ………ニ……シタコトヲ………。」
弱々しく……そして………怒りが混じった声…賢厘の声が私の耳に入ってくる。
私は、唇を噛み締め…洋館から出て行った。心の中で………謝りながら…涙を流しながら………。
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