第8章 【レオナ】King's love②
レオナの故郷である夕焼けの草原は女性を尊ぶ国であると言われている。
もちろん恋人であるサユにはいつも優しく接してくれるレオナであるが、仮にも王族……ラギーから王族の事情についてほんの少し聞いてしまった話が頭の中から離れないのも事実であった。
レオナの部屋で何度目かのキスを交わし、彼に鋭く見つめられサユはその瞳を恥ずかしさのあまり見返す事ができない。
「ラギーと何を話していた?俺に言えない話か?」
レオナの手がサユの髪を何度も梳き、項を撫でられる。そのたびに、身体がビクッと揺れてしまうのは彼に飼い慣らされてしまった証拠だ。
「……そのっ…、レオナ先輩との……色々と……」
「色々?」
ちなみにそんな質問を繰り返しているレオナではあるが、大体の事情は察しているのである。恥ずかしがって頬を赤らめる彼女を見ているのが楽しいのだ。
レオナはサユを抱え直すと、一緒にベッドに倒れ込む。向かい合わせになり、彼女の頭を自分の胸に抱え込むと、大きなため息を溢した。
「お前、ラギーに何でもかんでも話すな」
「えっ?」
「揶揄われてんだぞ」
レオナの胸の中で、顔を更に赤くしたサユは、ラギーとの会話を思い出し、自分の情事を他人に話すなんてとんでもなく恥ずかしい事だったと反省する。
「……でも」
「何だ?」
「その……レオナ先輩の事……もっと知りたくて」
もう一度ため息をついたレオナは、サユの顔を自分の方へ向かせると挑発的な笑みを浮かべて彼女の額にキスを落とした。