第2章 【リドル】It's tea time②
翌日、昼休み。
食堂でエースとデュースと共に食事をとっていたサユ。
今日は朝から、昨夜リドルに付けられたキスマークが見えてしまわないかと気になるところであったが、誰も触れてこないので見えていないのだと安心していた。
昼食も半ばに差し掛かった時、食堂にトレイとケイトがやってきた。
「隣いいかい?」
トレイとケイトはサユ達の隣へ座ると、今運んできた昼食を食べ始める。
「昼休み、これからっすか?」
「あぁ、さっきリドルと話し込んでしまってね。少し出遅れた」
「リドルくん、昨日帰って来なかったから、分からない書類があってね」
ケイトの言葉に、サユがビクッと身体を震わせた。
目ざといトレイがそれを見て、クスッと笑う。
「えっ?寮長、夜に外出してたんですか?」
「あぁ、そういう事になるかな」
「あの厳格な寮長がルールを破るとは……」
エースたちの会話に耳を立て、リドルがルールを破ったことで何か罰が与えられたのではないかと不安になるサユ。
そんな彼女にトレイはそっと耳打ちをした。
「君の心配は無用なものだよ」
「えっ?」
「リドルはちゃんと外泊届を出したから、ルールは破っていないからね」
トレイのその言葉を聞きサユは、ほっと胸を撫で下ろす。
その時背後から伸びてきた手が、サユに肩を寄せていたトレイの頭を押し退けた。
「トレイ、何をしている?」
「いや、特には」
そうして、サユの隣をリドルに引き渡したトレイ。
ハーツラビュル寮の面々と食べる昼食は今日も楽しいものになったのでした。
食後の紅茶には特性のはちみつを用意しましょう……。