第2章 ありえない
身体を一通り拭き終え、気を休めている内に昼過ぎになった。
(時間は経った・・・けど、)
雨は止むばかりか幾分強くなっている。
考えを巡らせても未だに此処がどこかも分からないまま。
(学校、始めて無断欠席しちゃったなぁ・・・。お母さんにでも連絡しとけば、って!!!)
『連絡』
少し混乱していて最初は思いつかなかったが、涼香はこの状況を打破できるかもしれない物を一つ持っていた
リュックのサイドポケットを探ってみると・・・
「あった、スマホ・・・!」
早速電源を入れ、母へ電話をかけてみる。
が、
ー只今、電波の届かないところにおります。只今、電波の・・ー
(・・・つながらない)
仕事だからかと思い、父・祖母・友達・学校などへ次々に掛けてみるが・・
ー只今、電波の届かないところにおります。只今、電波の・・ー
「そんな・・・なんで?!」
此処が単純に森だから電波が無いのか、それとも母達に何かがあったのか。
とにかく繋がらないならどうしようも無いので、電源を落とそうとしたその時。
ー決定的に、おかしな部分を見てしまった
「え・・・なんで、さすがに電波が届かないからってこれは・・っ」
ー時間を示す表示が、止まってるー