第2章 ありえない
ー7時39分ー
その表示から、進んでいない。
(スマホが壊れた・・・?いやでも、それなら電源もつかないはずだし・・・)
とりあえず、スマホを弄ってみる涼香。
すると、
(アルバム、写真、そして繋がらないけど電話は使える・・・他のアプリはタップしても真っ白な画面て硬直しちゃう・・・)
単にネット環境が悪いのか、それとも・・・。
考えても考えても分からなく、途方に暮れかけ俯いたその時ー
「んっ・・・」
「あっ・・・!」
膝の上の男が目を覚ました
「どう、ですか・・・?痛いところとかありますか??」
涼香が問いかけると、不意にこちらへ手を伸ばしてきた。
「あぁ、大丈夫だ・・・だが、お前は痛そうな顔をしているが」
スっと頬を撫でられる
「・・っえ、あ、」
突然のことに少し焦る涼香。
(この人の方が今、辛いだろうに心配かけちゃった・・・。きっと、ここら辺のことは私より知っているだろうし、起きたばかりで申し訳ないけど、少し質問してみようかな)
自分を見上げる目を見つめながら、涼香は伝えた
「実は私・・・ここに住んでいる者ではないんです。それどころか、此処がどこなのかすら分かりません・・・」
「それは・・・迷子ということか」
迷子とは違う気がしたが、言い当て妙な気もするので、そういうことにした
「そんなところです・・・それでその、ここが何処なのか教えて頂けませんか?」
「・・・ここは、大まかに言うと『丹波』だ」
・・・・・・
「た、んば・・・?それって昔の地名じゃ・・・??」
(確か、戦国時代の頃の琵琶湖の辺り・・・滋賀県?だったっけ)
「??いや、今もこの地名だが・・・」
「えっ?」
話しが噛み合わず、疑問が増えてゆく
「・・・ちなみに、琵琶湖は丹波にあります、よね??」
「あぁ、もちろんだ」
(よかった・・・!もしかして、戦国時代を愛する人で、今も此処のことを丹波って言ってるのかな・・・)
と、そんなことを考えている涼香に衝撃の一言が伝えられた
「ー琵琶湖は俺の坂本城の、目の前にあるからな」