第2章 ありえない
ーしばらく歩き、小さな洞穴のような場所を見つけ、そこへ留まる事になった
「とりあえず、ここなら雨も凌げますね」
「そうだな・・・っ!!」
落ち着ける場所へ着いたからか、力が抜けたようにへたり込んでしまった。
慌てて涼香は駆け寄る
「だいじょ・・?!ぶでは無いですよね・・・。」
医者では無いから正しい処置など分からないし、そもそも物だってそんなにない。
(でも、今この人を助けてあげられるのは自分だけ・・・とにかく休ませて、とりあえず身体をキレイにしよう・・・!)
涼香は地面へ膝を倒して座り、太ももの上へとその人の頭を乗せた・・・いわゆる『膝枕』だ。
「!・・・すまない」
「謝らないで下さい!!それに、こんな私の膝になんか乗せて休ませる事しか出来ない私の方が謝るべきですよ・・・!とにかく、今は休んで下さい、ね??」
「あぁ・・・」
短く応えると、意識を失うように眠り始めた
(よかった、眠れば少しは体力も回復するはず・・・。でも)
この人を助けたはいいが、この状況も、何処かさえも分からないまま・・・
不安が涼香を襲うが、それを振り払うようにリュックを開けてタオルを取り出し、
「・・・まずは身体を拭いてあげよう」
起こさないよう、そっと汚れを拭い始めるのだった。