第26章 真選組逆ハー(サイト移動のため一時避難文章)
久しぶりに田舎から江戸に戻り、屯所の前を通った時、隊士の顔は一様に暗かった。
「何かあったのですか?」
「あ、これはこれは…!こんにちは亜貴姐さん」
いつからあんたの姐さんになったんだい、と突っ込みたかったが、無理やり明るく取り繕った表情にそんな言葉を浴びせられなかった。
「なんでもないですよ。むしろ真撰組は江戸の平和を守るためにいつも大忙しです」
「そうですね…。それじゃまた」
あまり突っ込んでもよくないのかもしれない。私はただの一般市民なのだから。
そう思って踵を返すと、見張りの隊士たちはやはり何か言いたげな顔をするのだった。
ちょ、そんな顔されると帰るに帰れないじゃないの!
別れのあいさつをしたものの、私は振り返ってとりあえず何かしゃべってみることにした。
「ええっと…あ、近藤さん元気ですか」
「ええ局長ですかーーー!?亜貴姐さんいつの間に局長とそんな仲に!」
うれしそうな隊士さんズ。
君らはいったいなんなんだね。
「副長がっかりしちゃいますよ、あと沖田たいちょ…うわあああ」
その時、頭上から蜂の巣が落ちてきた。
「あー手が滑っちまったーすまねぇ」
なんと門屋根には沖田さんがうんこ座りをしてこちらを見下ろしている。
「「「うっひょおおおおおああああああ!!!!」」」
私たちは大パニックになって屯所の中に逃げ込んだ。
「何やってんだ三蔵法師・・・ここは女人禁制だぞ」
三人で屯所内を疾走する私たちを見つけた土方さんに捕まった…私だけ。