第24章 クニゾンクエスト(ヘタリア)
絵画の描かれた天井、大理石の壁、埃ひとつない鏡のような床。
そこには大勢の人間が集められていた。
部屋のど真ん中には真っ赤な絨毯が引かれ、そこを一人の青年が歩いていく。
身なりはごく質素だが、彼がこの国の王である。
名前はイヴァン。
この透き通るような肌の若き王は、非常に冷酷であるという噂だ。
背後からやって来た、今回の納め物を持ってくる少年は小刻みに震えている。
「やあ、ライヴィスくん。今回はずいぶん時間がかかったね」
イヴァンは台座に手をつくと、振り返ってライヴィスに微笑みかけた。
ライヴィスはビクリと体を震わせて立ち止まった。
「は、はい!本日も王はご機嫌麗しく…」
「ねえ、ライヴィス。僕の噂知ってる?」
トンチンカンなライヴィスの答えにイヴァンはうなずきながら、少しかがんで聞いた。
「はい、実に聡明で剛健質実、王の鑑であるとの噂です」
ライヴィスは突然のイヴァンの質問にも詰まることなく答えた。
その答えにイヴァンは満足そうに頷いていたが、不意に声色を変えた。
「わあ、ありがとう。僕ってすごいんだなぁ。みんなそう言ってくれるんだ。
…ところでライヴィス。それ本当に思って言ってるの?」
「え…」