第14章 ヤンデレ企画その①(ヘタリア・イヴァン)
「やあ、五十鈴。さびしかったかい?」
彼女は僕を見ずに、ただソファに座っている。
僕は彼女の前に座る。彼女の目には生気がない。
「死んじゃったかな?」
そっと頬に触れると、彼女はびくりと体を震わせた。
「ああ、生きてた。元気?」
僕の問いかけには答えず、五十鈴は僕から目をそらす。
君はいつもその調子だよね。でもね。君がどんなに抗おうと、それは小さな抵抗。
君が僕のものであることに違いはないのだから。
「さて、もう食べごろかな?」
そう言って僕は彼女のキャミソールの紐をおろすと、彼女は何事か叫んでソファから落ちる。
「滑稽な誘い方だね。でも、今の僕には十分だけどね…」
彼女を追うように僕も床に倒れ込む。
「五十鈴、…五十鈴!」
ただ自暴自棄なのかもしれない。
己の欲望も衝動も抑えられず、抑えようとせず。
今の僕はただの哀れな動物だ。
それが無性に、悲しくて寂しい。
「狂ってしまへばいゝのに」
僕が言ったのか君が言ったのか、定かではない。
だけど今も、君の目に僕は映らない。