第8章 君が好き（ヘタリア/アメリカ）

「俺って今結構孤独なのかなー」
アルフレッドは返信メールを見ながら大きく息を吐いた。
告白されたわけじゃない。
でも、なんとなく好意を感じる。
告白されたら確かにうれしいけれど（三日ぐらいハイテンションにアーサーの飯も食えるくらい）、五十鈴は恥ずかしがり屋だからどうだろう。


「悩むのって苦手なんだよね」
だからって『俺のこと好きなの？』て直球に聞けない（前に似たようなことで失敗したからね）。
変化球よりストレートのが得意なんだけどな。
そんなことを考えながらも、指では彼女にメッセージを送っている。何気ないことさ。
『君は　　　俺の女神』と。
あれ？なかなか返信がこない。


「なんだよ、浮かない顔して。上司とメールでもしてんのか？」
いつのまにか目の前の席でアーサーがコーヒーを飲んでいる。
「君がコーヒーなんて珍しいじゃないか。
なんで俺がジャスティスとメールするんだい。頼まれても嫌だね。奴が『頼むから俺の顔を殴ってくれよ』と言いながら１０ドル握らせてくれるなら考えてやってもいいけど」
「頼みは嫌だけど、買収はされるってことかよ。どうせならお前、給料上げさせるとか機転を利かせろ」
「はは、アイツって自分で言うほどの権限はないのさ。
君も気が利かないね、どうせなら俺の分も買ってきてくれればいいのに。コーラ」
「ここの紅茶マズ過ぎなんだよ。…お前もコーラばっかり飲んでるといい加減体に悪いぞ」
そう言ってアーサーはアルフレッドにブラックコーヒーを渡す。
アルフレッドは露骨に気味悪そうな顔をして受け取った。