第5章 −実技訓練、波乱の幕開け−
「別に・・・動機は至ってシンプル。“観察”“研究”ただ、それだけです。“探求心”そいつが俺の原動力だよ。この世の全てが研究材料、もちろん俺自身も・・・ね」
「!ねぇ・・・・・・ソウル。何か変な感じしない?」
「ん?そうか?」
シュタインは言い終わるとマカとソウルの魂を見ているようだ。
変な感じがするということはきっとマカは感知能力が高いのだろうか。
「君たちの“魂の波長”は随分安定してないね。ひねくれ者で皮肉屋の魂と真面目で頑張り屋さん。共鳴しているようでしていない」
「何?!生きてる人間の魂が見えるのか?!お前・・・職人!?」
「しかも性質まで見抜けるなんて超一流の職人よ・・・」
え?そうなの?そんなにすごいの?アレで?
あんなにへらへらしてて何考えてるか分からないマッドサイエンティストが?
『博士は面白いだけじゃなくて凄い人だったんだねぇ~』
『・・・・・』
普通じゃないとは思ってたさ。
でも一流って。一歩間違ってたらアタシあの時殺されてたんじゃ・・・
そう考えると背中に冷たい汗が流れる感覚がした。
ギャーギャー言い合いしてるマカ達を尻目にいつの間にか姿が見えなくなったブラックスター。
どこだ?と周りを見ると頭上から声が聞こえる。
「ひゃっはっー☆凡人どもの目立たねェー会話は終わりだ!!これからは俺中心の前衛的な会話になるだろう!!魂が見える見えねェーなんて知んねェーけどよ!他人の魂なんか知ったことか!!」
建物の上で偉そうに言うブラックスター。
身体能力はホントに高いんだよなぁ、なんて見上げながら思う。
慣れたような動きでスタッと降りてくるとドヤ顔で言い放つ。
「俺は俺の魂が見えてりゃそれで良し!!」
「はっははは君はスゴイなァ~♪ものすごく自己主張の激しい魂ですね。君のような魂に合う武器はなかなか居ないんじゃないのか?」
シュタインが話してるのにも構わず蹴りを入れる様子にあーあ。と呟かずには居られなかった。
当たり前のように受け流されそして地面に叩きつけられる。
まだほんのちょーっと根に持ってたからすこーしすっきりした気がしたのはここだけの話。