第2章 ヒーロー嫌いの女の子
「あいつ…」
相澤先生は溜息をつき、心底めんどくさいと言うように顔を歪めた
ちなみにプレゼント・マイクとは、プロヒーローであり相澤先生の同期並びに学校勤めの同僚である
彼はまさに"パーリーピーポー"を具現化したような人間で、個性の「ヴォイス」もぶっ飛んでいる
そして、ラジオ番組のDJも務めているマイクマンだ
これは余談だが、彼に虫を見せると泡を吹いて気絶するらしい…
未だ顔をしかめる我が師匠に言う
「あはは、良いじゃないですか
可愛い教え子が自分の部屋の隣に来て嬉しいでしょう?」
「あのな、俺はプライバシーを覗かれるのは嫌いなんだよ」
「それはプレゼント・マイクに文句をどうぞ」
「はぁ………」
「まあ、私が先生の隣の部屋になったからにはきっちり人間らしい生活をしてもらいますからね
あと、服のセンスも考えてください」
「そんな非合理的なことはしないね」
「やらなければ全裸で街を歩かせます」
「なんでお前にそんな個性が宿っちまったんだろうなぁ」
「あははは
そうだ、相澤先生の飼ってる猫ちゃん触らせてくださいねー」
「はいはい」
これが私の日常
なんて事ない、普通の日々
たとえ強力な個性を持っていたとしても
誰かを救えるヒーローになれるとしても
私は絶対
ヒーローにはなりたくない