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Sogni d'oro/GIOGIO Parte5

第4章 桜の時/ジョルノ


そして3人はローマ中央駅・テルミニ駅に向かい、地下鉄に乗り込む。
今から向かうこのエウル地区には、東西に長細い人口湖がある。この湖の周りは1周する事ができ、その道に日本から送られた数千本の桜が植えられているらしいのだ。

その名も『Passeggiata del Giappone(日本の散歩道)』と呼ばれる。


「桜ねぇ〜……でもよォ、何で急に花見に行きたいなんて思ったわけ?」
「ん〜かなり前なんだけどさ、ネットで見たんだよね……日本の桜って花を──」


ナマエが地下鉄の窓を見つめながら答える。


「花びらが薄ピンクでさ、ひらひらと舞い散る様子がまるで雪が舞うようだったんだよね……それがすっごく綺麗でさ、実際見てみたくなったってわけ!」
「ふ〜ん……まぁ、俺は花より団子……いや、ワインだな」
「もう、ミスタってば〜」


ナマエがむくれ顔をミスタに向ける。
一方で、ジョルノが話を続ける。


「桜は“春の花”……なんですよね? 僕もどんな花か興味があります。昔、一度だけ母から話を聞いた事がありますし……それに、僕の名前……“汐華初流乃(しおばなはるの)”にもはる(春)と付いてますしね……まぁ、漢字は違いますけど」
「“はるの”……か〜、改めて聞くとなんだか可愛い名前だよね」
「あ〜、まぁ確かに!」
「僕よりもあなたの名前の方が、どことなく花の様に可愛らしいと思いますけどね…? ナマエ──」


そう言ったジョルノが、不意にあどけない笑顔を見せる。その笑顔がやけに眩しく感じたナマエは思わず目を逸らしてしまう。
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