Sogni d'oro/GIOGIO Parte5
第3章 接吻/リゾット
今日は、アジトに誰も来る予定はないはず……だったが──
「……おい」
「あ?」
「リゾット……これはどーゆー事だ……?」
「あぁ、見ての通り──今いいところだ。分かったら、出て行ってくれるな、プロシュート……?」
「えっ……⁉︎」
突如現れたのはプロシュート。
2人を目の前に、少し動揺しているようにも見える。
ナマエはプロシュートに目を見張り──リゾットはそのまま続ける。
「何て顔してんだ? お前にとっては普通の事……だろ?」
「リゾット、お前──ッ……」
「ん、何だ……?」
「…あぁ、邪魔したな……」
プロシュートがチラリとナマエに目を向ける──
そしてやるせなくため息を一つ残し、その場を後にした。
バタンッ──とドアの閉まる音と共に、ナマエがリゾットを跳ね除ける。
「ちょっと、どうして⁉︎ なんであんな事──」
「お前こそ、いい加減目を覚ましたらどうだ? プロシュートは、あーゆー奴だ」
「……」
「お前の心の隙間は、こんな事を繰り返していても、一生埋まらない……」
リゾットの言葉を聞きながら、しばし押し黙っていたナマエがようやく口を開く。
「だったら……あなたが私の本命になってくれるの……?」
「俺は、初めからそのつもりだが……?」
そう言って、リゾットが優しく口付ける──
後日、プロシュートは全ての女と手を切り、#ナマエに告白するも──振られたとか……
まぁ、後の祭りだな──
「ねぇ、リゾット〜、少し休憩にしたら?」
「あぁ、そうする」
ナマエがエスプレッソを2つ、テーブルに置いてソファーに座る。
その隣にリゾットも腰を下ろした。
「……良かったのか?」
「えっ、何? 急に、どうしたの……?」
「いや……」
口ごもるリゾットに、気持ちを悟ったかの如く、ナマエが口付ける。
「Ti amo……リゾット──」
「あぁ、俺もだ……」
今度はリゾットから口付ける。
それは深く優しい口付け──
そして穏やかに時は過ぎていく── the END