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49番目のあなた【D.Gray-man】

第6章  願わくば





今日はすみれが出席している舞踏会に、来賓客として来ている。
もちろん、仕事(記録)のために。
主に仕事をするのは、じじいだが。
舞踏会を知れと言われ、早々に自由勉強という名の放置をくらっている。

と言う訳で、俺はすみれの様子を覗っている。


(…ダンスと愛想笑いの談笑ばっかで、すみれは大変そうさね)


すみれの事だ、きっと叔父叔母に付き合っているんだろう。
すみれから積極的な様子はない。


(あっ、あの野郎、すみれにベタベタしやがって…すみれもされるがままになってんじゃねえさ!)

だいたいの男は、すみれの叔母に言われて…という感じだが、たまに下心ありそうな奴がいる。


(…なんで、俺がそんなこと気にしてんさ)
はあ、と一人ため息をつく。

二人で出掛けたあとから、調子が狂う。
すみれのことは、まあまあ可愛いやつだと思う。

一般的な可愛さで。

スタイルや顔立ちから、中の中。良くて上の下くらいには、と思う。

すみれは良い奴だ。好きだ。
一緒に居ると楽しくて、ほっとする。


でも、この“好き”は
きっと恋や愛ではないーーーーーー

(…うわ、あの令嬢めちゃタイプさ。ストライク!)
目に留めた令嬢は、いわゆるボンッキュッボンの色気むんむんの金髪美女。
俺の視線に気づき、パチッとウィンクを送ってくれた。
いけね、鼻の下が伸びそうになる。

やっぱ、ああゆうのが好きだ。
すみれは俺のタイプではない。
“ストライク!”、も無い。
しかし、多少の独占欲は、何故かある。

(きっと、友達や姉を慕うような気持ちだから さ)


そうのように自分自身を分析し、納得させていた。



ふと、すみれに視線を戻す。
泣きぼくろが印象的な色男と談笑し、頬を僅かにピンク色に染めていた。

モヤっとする

すると色男はすみれの手を取り、ダンスを始めた。
グッと二人の体が……密着しすぎじゃね?


すみれと色男の二人に、目線が釘付けになってしまった。

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