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49番目のあなた【D.Gray-man】

第6章  願わくば




ディックと出掛けてから、数週間が経つ。


ディックの言った通り、あれから彼はたまに姿を見せるものの、すぐに立ち去ることが殆どだ。
どうやら仕事が忙しいらしい。



髪にはディックがくれたヘアアクセサリーをつけており、撫でるようにそっ…と触れる。



書庫室にいる時は、ティーセットとお茶菓子が定番になってしまった。
彼の分のティーカップも準備されているが、最後に使われたのはいつだったかーーーーーーー










「すみれ令嬢?
私とダンスを踊っていただけますか」
男性から誘いを受ける。

「はい、喜んで。」
パッと笑顔を作る。物思いにふけ込み過ぎた。
隣にいる叔母様が渋い顔をしている。


いけない、いけない。
今は舞踏会だ。


本日は叔母叔父に連れられて(出席したくなかったが)、舞踏会に来ている。

取引を広げるためと、私の出会いのために。

それに欧米人の叔父叔母と違って、アジア系の私はこのような場でとても目立つ。
残念ながら、容姿淡麗という理由ではなくて。

話題の1つになるので、私を連れ回したがる。
まるで珍しいペットのようだ。


(このダンスも何人目だっけ…)
取り敢えず、会話とダンスを言われるがままこなしている。


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