第17章 想い思われ反発して
「ラビなんか…っ!」
(だめ…っ)
「すみれッ?…」
(言っちゃダメ、私)
「ラビなんて、どうせ…!!」
(言うな、言うな…!!)
嗚呼、でも
トメラレナイ
「どうせ、居なくなるくせに…―――ッ!!」
心の奥底でずっと考えないように…いや、ずっと思っていた事を言葉にしてしまった。
「…ッッ!」
ラビの目が大きく見開かれる。
何かを言いかけた口が閉じられ、グッと噛み締めて飲み込む姿が苦しそうで、
おそらく、私のそのひと言はラビを傷つけた。
「確かに、オレは……」
「っ、!」
ラビの、発するその先の言葉がわかる
(ダメ、言わないで…ッ)
ラビを傷つけておきながら、そんなことを思う私はなんて我儘で酷い人だろう。
「すみれに、関係ねーさ」
“私とラビは 関係が無い”
はっきりと言葉にしてしまった
されてしまった
(わかっていた、事なのに…ッ)
ラビと私の繋がりが硝子ならば、
次々と瞬時にヒビが生じていき
――――――パリンッ
一瞬に割れて、粉々に砕け散った
そんな気がした。
嗚呼、
―――――最悪な聖夜の始まりだ。
(私は、ただ…)
ラビを想っていたい
それだけだったのに――――。