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49番目のあなた【D.Gray-man】

第1章  再会





「ーーーー振り返らず、行くさ。

この戦場から逃げろ。」







爆薬により建物が崩壊し周囲には火の粉も上がっている。

「あなたは?!一緒に逃げなきゃ!」


座り込んでしまった私の腕を少年は持ち上げ立たせる。
私の肩に手を当てしかと両目を合わせる。
少年の緑色の隻眼が私を見つめる。

「俺は仕事がある。見届けなきゃなんねえ。俺は大丈夫だから、すみれは生き延びろ。



ーーーーお願いだから、死ぬな。」


良い子だろ、と少年は私の髪を掻いた。
まだ幼いのに動作はとても大人びていて、困った笑顔を浮かべている。

私が逃げないと彼も逃げれず、その場から動けないことを何となく悟った。


「…わかった、あなたの言う通りにする。
助けてくれて、ありがとう。


また 会えるよね?」





「ーーーーーーーーああ。」



少年の彼に二度と会えないことはわかっていながらも、問わずにはいられなかった。

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