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49番目のあなた【D.Gray-man】

第2章  再び



振り返ると、そこには白衣を着た女性がいる。



「やっぱり…ディックっ」

女性の目がこれでもかと大きく見開かれる。






「……すみれ?」

彼女の名を口にした。
すみれの目から一筋の涙が頬を伝った。

「…すみれっ!」

すみれの側へ駆け寄る。


夢かもしれない

二度と会えないと思っていた

再び会える、なんて



「…ずっと、元気にしてた、さ?」

「うん…ディックの、おかげでっ」


すみれの瞳に、再び俺を映してもらえるなんて

すみれの口から、再びその名を呼んでもらえるなんて


やっぱり、夢かもしれない



「すっかり見違えて…一瞬、気付くのが遅くなっちまった」


そう、俺の知っているすみれは


今のように素顔など見せず、化粧が施されていて。
無造作に束ねられた髪ではなく、いつも綺麗に結い上げられていて。
薄汚れた白衣や私服ではなく、綺羅びやかなドレスを着た




貴族令嬢だった。



すみれと再会できて
こんなにも嬉しい、のに


何故、聖戦の関係者になったんだ
平和などこかで幸せに暮らしていて欲しかった。
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