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その秘密は図書室にて

第1章 エピローグ〜出会い〜


桜も散り始めた頃。
春休みも過ぎれば2年生と……。
お待ちかねのクラス替えである。
「瑞希ーっ!一緒のクラスだよ!!光栄だと思いなさいっ!!!」
「うわっ!後ろから飛びつかないで!!」
思い切りタックルされながら、瑞希は由香里が指差す方向を見た。
「D組かぁ」
「あっ、それと堀口くんはC組だよ?体育一緒だねーっ!!バンザーイ」
由香里が周りを気にせず思い切りガッツポーズをする。まあ、皆わいわい騒いでいるので浮くことはないが。
「…ちょっと、なんでそんな早く堀口くんの組までわかるのよっ!」
「この私よ〜、当然でしょ?
……まあ、あっちを見ればすぐにわかるけど。」
由香里が顎で人だかりを示す。その中心にいたのは……
「堀口くん!?」
と、その友達だろうと思われる男子。そして女子多数がとり囲んでいる。
「堀口くんC組なの!?私と一緒だよ!」
「堀口くーん!体育では宜しくね〜」
「クラス離れちゃって寂しいよ〜」
囲んでいる女子達が次々にアピールをしている。
しばらく呆気にとられていた瑞希だが、やっとのことでぽつりと言う。
「堀口くん、に、人気者だねぇ…」
「人気なのは堀口くんだけじゃないわよ」
由香里が人だかりをうっとおしそうな目で見ている。
「堀口くんの隣にいる男子、一宮瞬。彼が学年1、2を争うイケメンのもう1人よ。…ま、堀口くんよりは劣るけどね」
瑞希は改めてその一宮瞬を見た。
由香里曰く、堀口くんより劣るらしいが、ちょっと短髪で清潔感のある髪、爽やかな笑顔。
瑞希からしてみれば、劣るとか劣らないとかの問題でなく、むしろ1、2を争うというのがしっくりきた。
「ってか、由香里があれだけのイケメン批評するの珍しー!好みじゃないの?」
「…まーねー」
由香里はあくまでつまらなそうだ。
こういうときは必ずなにか隠しているが、詮索することでもないだろう。
「さっ、教室行くわよーっ!瑞希、早く早く!」
「あ、はいはいはい!」
こうして高校2年生がスタートした。


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