第1章 エピローグ〜出会い〜
卒業式は何事もなく順調に進んだ。
瑞希は体育館の隅をウロウロしながら写真を撮っていた。
勿論、写真部の印を付けて。
これとカメラがあれば多少うろつくことは許される。
(このくらいで大丈夫かな?)
カメラを構えたまま在校生の方を向くと、
(!!堀口くん)
たまたま、レンズ越しにいたのは凛として座っている堀口くんだった。
こうしてみると、由香里が騒ぐほどあって格好いい…
と、おもわず瑞希はシャッターを押していた。
押してしまってからはっとするが、写真部だということを思い直す。
(お仕事、お仕事…)
卒業式はそつなく終わった。