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その秘密は図書室にて

第1章 エピローグ〜出会い〜


「堀口悠弥って人知ってる?」
「もっちろーん!知ってるよ!!学年1、2を争うイケメンよ!!」
身を乗り出してこう語るのは瑞希と同じクラスで友達の樫野由香里。
彼女は恐ろしいほどのイケメン好き。まあ、彼女自体"黙ってさえいれば"大人しそうで可憐な美少女なのだから、あまり問題はないだろう。
とにもかくにも、瑞希は昨日あんなことがあったので、朝一で彼女に聞いてみたのだ。
……やはりヒットした。
「バレンタインにはいくつチョコ渡されたんだか。もう常に女の子が周りをうろついてる感じの……あれ?なになに??瑞希がイケメンに興味を持った???おいでおいで〜こちらの世界へようこそ〜!!」
「だーっ!もう、違うって!!
瑞希は慌てて否定に入った。
全く、時々変なテンションになるのがこの友達の唯一…でもないが悪いところだ。
「図書委員で昨日初めて仕事一緒にしたの!!…それで、どんな人かなーって」
えー、そうなのぅ?と由香里はしばらく不服そうにしてたが、ややあって…。
「!てことは悠弥くんと話したの!!なにそれ私より先に!!!やっぱりイケメンだった??」
由香里の目は先ほどよりキラキラと輝いている。
最早興奮状態だ。
「うん。イケメンだし、優しそうな感じだったよ」
無難に瑞希が答えると、
「やっぱりイケメンなのかぁ〜」
由香里がうっとりした顏で呟いた。
それを見た瑞希は首を傾げる。
「あれー、由香里の本命は校内1のイケメンのか…」
「神楽正人先輩!もう!あったりまえでしょ〜!!!2年生にてサッカー部のエース的存在!!その甘いマスクに爽やか笑顔はなんともいえぬ……っ!!」
そう言いながら由香里は瑞希背中をばしばし叩く。

…やっぱりな。そうだろうとは思ったよ。

キーンコーンカーンコーン……
予鈴が鳴る。

「やばっ!席つかなきゃ!!」
瑞希も慌てて自席に戻った。

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