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その秘密は図書室にて

第2章 図書委員


「その……どんな人?」
悠弥がきょとんとした様子でこちらを見ている。
「あ、いや私の友達がね?その……」
そこまで言うと、悠弥は納得した様子で頷いた。
「なるほどね。瞬はいい奴だよ、真面目だしああ見えて責任感もあるし、頼れる人って感じかな」
「へぇ……ちょっと意外。なんかチャラってしたのが入ってるような人だと思ってた」
あの時みた瑞希の第一印象だ。悠弥に比べ、割と積極的に女子と話していた。
「あいつ無駄に囲まれるの慣れてるからそう見えるかもしれないけど、実際彼女いたことないらしいし」
「ふうん…て、えええ!?」
なんで!?瑞希は声を上げる。そんな性格でイケメンなら彼女の1人や2人いてもおかしくないはずだ。
「なんでも、"小学校のときから好きな人がいる"って断ってるみたいだけどね」
「……い、一途…」
小学校から…なかなか長い期間だ。
「でもほっとした。一宮くんて全然悪い人じゃなさそうで!」
瑞希が安堵した様子で言うと、悠弥が怪訝な顔をする。
「悪い人?」
「うん。…なんか、その人のことで友達、何かあるみたいで……。でも嫌なことされた可能性は低そうだし!取り敢えず安心…かな?」
そこまで言うと瑞希ははっと顔を上げた。
「もしかして、一宮くんのこと好きなのかな!?上の空だったりするのも納得いく……?」
ややあって瑞希はにっこり笑った。
「もしそうだとしたら、あんまり詮索しない方が良さそうだよね。堀口くん、ありがとうございました!」
と、悠弥が瑞希から目を逸らす。
「別に改まらなくても。…悩みがあったら言ってね?出来るだけ力になれるようにするから」
「こちらこそ!…じゃ、この本貸し出して続きしよっと」
瑞希はぱたぱたとカウンターへ向かった。
そんな瑞希を悠弥は複雑そうな目で眺めていた。
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