第1章 エピローグ〜出会い〜
放課後の図書室。
2月の終わり…受験で勉強しに来る3年生もいないため、人気はなくあっけらかんとしている。そんな中、1人の少女がぶつぶつと呟きながら、本の整理をしていた。
「もう…なんで私だけしかいないのよ……」
肩につくかつかないかくらいのボブの髪を揺らしながら、倉本瑞希は1人、図書委員の仕事をしていた。
「3年生がいないのはわかるけどっ……2年生も卒業式の式場作りだしっ……なんで1年はいないのよっ…………ああ重いっ!!!」
悪態をつきながら、古ぼけた重たい本達をどさっと降ろす。
だいたい、あいつらときたら………。
あいつらというのは勿論、図書委員のメンバーである。
瑞希の学年は8クラスあり、図書委員は各クラス1人だから8人しかいない。瑞希もその中の1人だ。
それなのに、そのうち4人は常にサボり、2人は部活だの補修だの理由を並べて行ってしまったし、1人は風邪で学校を休んだとのこと。
先生方はといえば卒業式準備、
結果瑞希だけで"古くてボロボロになった本を処分する"ハメになってしまった。
「どーせ、写真部の私は暇ですよーっと…。1人でやるべき仕事の量じゃないよこれ……」
とはいいつつやるしかないので、1番上の本棚の、日に焼けて白くなった本を取ろうと台にのって背伸びをした。
と、予想以上に本が重かった。
「う、うわわわわっっ!!!」
手から本が滑り落ち、背伸びしていた体が傾いた。
!!倒れるっ!!!