第5章 分かっていたはずなのに
椅子に座らせてもらってしばらくすると
?「ぱいせーん!!!大丈夫ですか?」
ん?誰か走ってくる…ぱいせんって事は……あ〜
西「彼女さん倒れたって連絡きたから慌てて戻ってきましたよ!」
江「ごめん、ありがとう。多分軽い貧血だとは思うんだけど、焦って思わず連絡してしまって」
迷惑かけちゃったな……。
西「んー今の時期的に熱中症って事は無いと思うんですけど、とりあえずお水買ってきますね!あと、甘い物も!!」
江「ありがとう!助かる。」
『すみません。大丈夫です…』
西「絶対大丈夫じゃない!顔真っ青だよ…!じゃあ行ってきます!!」
『ごめんなさい。』
江「気にすること無いよ!横になる?」
そう聞かれて頷くと膝枕をしてくれた。
やっぱり細いな〜
そう考えてるといつの間にか寝てしまっていた。
ん?ここはどこだろう…?
目を覚ますと知らない天井が見えた。
江「あ、おはよう!もう大丈夫??」
『おはよう。ここって……』
江「あ〜僕の家!あれから全然目を覚まさなくて…
きぃちゃんの家は分からないからね笑」
えっ今何時だ??
そう思って時計を見ると夜中の2時だった。
『えっごめんなさい!!!!』
何時間寝ていたんだ!???
咄嗟にスライディング土下座をしてしまうぐらい焦っていた。
江「大丈夫だよ笑 あ、何か食べる??お腹すいたでしょ」
『あ、はい。恥ずかしながら…』
そう言うのと同時にお腹が鳴った。
江「何か食べたいものはある?
って言ってもほとんどの物が作れないんだけど笑」
『あ、じゃあカレーが食べたい。』
拓也くんの得意料理のはず。
何度かSNSにあげていたから大丈夫だろう。
そう言うと目を輝かせて任せて!!っと腕まくりをしてキッチンに向かってしまった。
ふと、スマホを見ると1件の通知が。
"江口拓也から皆様へ"
そう見えた。
内容を見てみると私たちの報告だった。
コメント欄はやっぱり荒れていた。
トレンドにも入っていた。
こうなる事は予想していたのに…
自分だってみんなと同じ立場なら素直におめでとうなんて言えなかったはずだ。
『……っ』
バタバタッ
江「どうしたの??」