第5章 分かっていたはずなのに
江口side
カレーが食べたい。
そう言ってくれて嬉しくてすぐに作りかかった。
スパイスから作るとすごく時間がかかるから今日はカレールーを使う。
もうすぐ出来そうだなって思っていた時
『……っ』
え?泣いてる??
そう思って咄嗟に火を止めて寝室へ向かった。
江「どうしたの??」
やっぱり泣いてる。
彼女の手にはスマホがあった。
何となく分かってしまった。
恐らく僕の投稿を見たんだ。そして、アンチコメント。
分かっていたはずだ。
見てしまえばこうなる事ぐらい。
急にどうしようもない後悔に襲われた。
スマホを見ないように言っておくべきだった…!
彼女が起きる数時間前
マネージャーにOKをもらって公表した。
そしたらすぐに反応が来た。
初めは"おめでとう"が多くてすごく安心していた。
でも、徐々にアンチが増えてきた。
僕の熱烈なファンほど別のアカウントを作って攻撃してきた。
ブログの方でも同じ文章を載せたけどそっちも荒れた。
Trignalのグループで付き合うことを報告した時、ウイングさんに気をつけなよ?と言われていた。
経験者は語るとはこの事だろう。
江「ごめんね。守ってあげるって言ったのに……」
『ううん、私が勝手に見たんだもん。分かってたのに。』
江「カレーもう少しでできるけど食べる?」
『うん!食べる!!』
良かった。ちょっとは元気になってくれたかな?
これからは特定だったり色々あるだろう。
マネージャーとも相談していかなきゃな…!
翌朝、きぃちゃんを家まで送り届けた。
けど、これがいけなかったんだ。
僕は心配だったから彼女のお友達に連絡して来てもらうように伝えて仕事に行った。
来てもらったよ!と連絡がきて一安心した。
けど、その数時間後。
僕宛てに一通の連絡がきた。
"彼女の家は特定した。"
そして家の外観写真。
吐き気がした。
いつバレたんだ?送って行った時か?
すぐに事務所に連絡して彼女の家の住所を教えて行ってもらうようにした。
しばらくして、マネージャーから一時的に保護しました。と連絡が来た。
無事で良かった…。
けど、これからどうしよう。