第3章 そこにいちゃいけないんだ。
あなたside
『江口拓也さん…ですよね…?』
(聞いてしまった…!)
江「あー、はい笑 えーっと僕のファンだったりします?」
『はい!!大ファンです!
こんな近くで会ってしまって明日を迎えれるのかが心配なぐらいに…えへへ///』
(あ、つい…!)
江「な、何か照れるね…笑」
『すみません。。』
江「何で謝るの?嬉しかったよ…!笑」
でも、こう言った言葉は嫌ほど聞いているはずだ。
今更1ファンから聞いたところで…。
江「あ!今、後輩たちと来てるんだけど会いたい?」
『えっ良いんですか??でもお邪魔なんじゃ…!』
江「いやいや、もう見飽きてるやつらばっかりだから笑」
『なるほど笑』
宏太朗くんたちとお話させて頂けるだなんて…!
今の状況だけでもファンに知られたら、、、
想像するだけでも寒気が…。
西「ぱいせ~ん、遅いで…え???」
斉「誘拐ですか…?」
江「な訳ないだろ!!」
『ほ、本物だぁ(>_<)』
中「わー江口さん泣かしたー(棒)」
江「ちょっとー!??」
西「その子この間の子ですよね?どうしてこのテーブルに連れてきちゃったんですかー?」
<トイレ中に2人には前の事を説明済み>
江「あー、色々あってさ…。僕のファンらしくて。」
西「えっ…?」
『あ、私戻りますね…!お邪魔しました!』
江「あ!まっっ」
何やってるんだろう。
私はただの一般人…なんだから。
「あ、お帰り~遅かったじゃん…。」
『……っ』
「帰るよ」
どうして泣いているのか自分でも分からなかった。
ただあの場に行った瞬間に分かってしまったんだ。
"自分とあの人は住んでいる次元が違う"
気づけば自分の家にいた。
1度流れた涙は止まることは無かった。
家に帰って何時間経っただろう。
「泣き止んだ?」
あかりは私が泣き止むまでそばにいてくれたらしい。
「何があったの?」
いつものようなふざけた親友の姿はなく、真剣なまなざしでこちらを見つめていた。