第3章 その言葉を聞きたい。
?「こんな所にいたんですねぇ」
聞き覚えのある声がして振り返るとそこには…
『なんで…っ』
日「いやぁ…実はあんずさんに怒られまして…
風邪、引きますよ。」
そう言うと上着を貸してくれた。
『ありがとうございます。』
日「いえ、風邪を引いたとなればまたあんずさんに怒られてしまいますからね。」
『あの、日々樹先輩…。』
日「おや、なんでしょう?」
『あの日何て言おうとしていたんですか?』
日「本当に聞きたいですか…?」
『え…?』
日「今のように話す事が出来なくなるかもしれませんが、それでも聞きたいですか?」
『……聞きたいです。』
日「分かりました。」
話す事が出来なくなる…?
怖い…でも、このままモヤモヤしたまま過ごすほうが嫌だ。
日「あの日言いかけたのは…」
(よければ…)
日「付き合っていただけませんか?」
『…っ///』
日「…とか想像していました?」
『……え?』
日「あ、その反応はしていましたね!あっははははは☆」
『えっと…』
日「あぁ、いやまあ好きですけどどちらかというと…
LOVEよりLIKE?と言いますか、弄りがいの…」
天「そこまでだよ、渉」
日「おや~?英知どうしてこちらに?」
天「きぃちゃんを見てごらん?」
『……っ』
天「さっきあんずちゃんに言われた事を忘れたのかい?」
あ「(きぃは日々樹先輩の事好きなんですよ!それに先輩も…)」
日「いいえ…。英知、私はこう言った事はどうも苦手なようです。」
天「ふふっ渉でも苦手なことがあるって知れて良かったよ。」
人前で泣くのなんていつぶりだろう。
日「顔を上げていただけませんか?」
『……っ』
日「先ほどの言葉は撤回させてください。」
『撤回…?』
日「はい、私はあなたのことが……好き…です。」
『本当…ですか?』
日「えぇ。本当ですよ。あ~、もちろんLOVEの方ですからね!」
『ふふっ』
日「人が真剣に告白したと言うのに笑うなんてひどいですねぇ。まぁ、いいですけど。」
日「んー、とは言えお互いの事を全然知りませんからねぇ…
ここは、お友達からということでよろしいでしょうか?」
『はい!よろしくお願いします。』
日「えぇ、こちらこそよろしくお願いします。」