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【ヒロアカ】幸せな恋の諦め方【轟焦凍】

第9章 好意と本音【期末試験】


 
※一条視点


 彼に抱き締められて以降、運がいいのか悪いのか、彼と会う機会が減っていた。


 正直、心の中で安心していた。家族の事もあったし、まして轟くんの事もそうだ。あの出来事があってから、自分に残る感情にずっと葛藤が生まれていた。理由は明確だった。



 自分は、まだ囚われるのだ。

 昔の感情に、


 
 どれだけ否定しても、離れようとしても、

 結局何かしらのきっかけで会う事で、自分の気持ちはむしろ募っていくばかりだった。



(‥‥どう、しよう。)



 それを認めてしまっては、これからどうしたらいいのかわからなくなってしまった。

 

(‥‥‥)



 どうして、こうもややこしくなってしまったのだろう。



 彼の事を忘れようと思ったけど、雄英で出会ってしまった。

 彼の事が気になってしまい、体育祭の時、関わってしまった。

 彼から離れるつもりだったけど、轟くんの方から接触する機会が増えていった。



 結局自分の思いなんて、再会したあの時から、変わる事なんてできなかった。

 そして、その積み重ねが、葛藤へつながってしまっている。

 「好き」という感情が溢れてしまう。

 このまま放置してしまったら、いつか気持ちが耐えられずに悪い方向へ爆発してしまいそうな気がする。

 ただでさえ、自分は家族の件で敏感になっているのだ。無意識にそうなってしまったら大惨事だし、轟くんにも迷惑をかけてしまう。


 深刻な、問題だった。


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