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【ヒロアカ】幸せな恋の諦め方【轟焦凍】

第6章 見直しと壁【原作編(雄英体育祭)】


 
 オールマイトさんから生徒含め観客者すべてに対しての言葉を頂いた。
 
「今回の勝者は彼らだった!しかし皆さん!この場の誰にもここに立つ可能性はあった!競い、高め合い、さらに先へと登っていくその姿!次代のヒーローは確実にその芽を伸ばしている!てな感じで最後に一言!皆さんご唱和下さい!せーのっ!」
「おつかれさまでした~!「プルスウルトラ!!」」
「えぇぇそこはプルスウルトラでしょ!」
「ああいや…疲れたろうなと思って…」

 ガヤガヤと笑い声が聞こえる中、メダル授与式も終わった。各自学生たちは制服を着替えて教室へ向かった。体育祭という事でしばらく二日間お休みするとの事だ。

「はぁー二日間休みってラッキーだね。どっか遊びに行く?」
『遊びに行きたいの?』
「そりゃようやく体育祭も終わったしね。気分転換に」
『そっか‥‥私は、いいかな…ちょっとお見舞いに行かないといけないし、』
「お見舞い?」
『祖母に会いに行くの。』

 しばらく体育祭の準備で頻繁に行けなかったし、この機会にいかないと、そう思っていた。それに気持ち的に遊びに行きたい気分ではなかった。


「ただいま、」

 誰もいない家に私は一人荷物を置いて、制服から普段着に着替える。そして疲れを癒すためにベッドに横になった。
 体育祭が濃厚だったこともあって、終わった実感がようやく出てきた。

 改めて体育祭の出来事を振り返ると色々あったなと思う。その中でも一番最初に思い出したのは、轟くんの事だった。

 憎しみを背負った状態でずっと体育祭に参加していた轟くん。そんな彼をほっておけなくて、つい試合前に声をかけてしまった。

 でも轟くんは結果、私の言葉がなくとも、緑谷くんの言葉を通じて変わった。過去の憎しみから解き放たれて、彼自身としてそこにいたのだ。

 (…‥轟、くんは…)

 これからどうしていくのだろうか、それを考えようとして咄嗟にやめた。ここからの道は自分では踏み込む事のできない領域だからだ。

 (いい加減にしないと、ね)

 もう中学生の頃とは状況も違う。心配だった部分も緑谷くんのおかげで轟くんはわずかながら踏み出そうとしている。これ以上彼と関わる理由なんてないのだ。

 (…そうだよね)

 私はそう思いながら眠りについた。まるで虚しさと悲しみから逃げるかのように、
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