第6章 惑溺ナード!【Idia】
いつから僕はあの娘に粘着するようになったんだろうか。
そりゃあ、僕だって、陽キャの華イケイケプリンセスみたいな彼女が怖くて、できれば近づきたくもなかった。
…入学式のあの日。
僕はオンラインで参加したけどさ、端末越しに見えていただけでもあの娘は相当な問題児に見えた。
そんな彼女はどうやら正式にここの生徒になって。
それからまぁ当然、ここには男しか居ないもんだから両脇に一人ずつ男を侍らせて。実質逆ハー系乙女ゲーのヒロインてわけ。
たまたま僕が登校した日に廊下ですれ違ったけど(まあどうせ向こうは僕なんか認識してないだろうけど)、それはまあ楽しそうに談笑なんかしていらして。
その時確信してしまったんですわ。
いきなり異世界に召喚(笑)されてしかも男子校の中で図太く、毎日エンジョイしながら生きてる。
あの娘は相当、陽キャでパリピで、元の世界でもスクールカーストトップのキャピキャピ系JKやってらしたんだろうなァと。
それでいて「私この通りサバサバしてるからー、男っぽいっていうかー女として見られないってゆうか(笑)男子校の方が寧ろ楽なんだよね(笑)(笑)」とか自慢げに抜かす自称サバサバ系女奴〜〜〜〜〜〜〜〜〜wwwww(偏見)
とにかく僕の世界において一生どころか前世も来世も交わらない運命にあるわけ。
あの娘のように陽の当たる道しか歩いてこなかった女の子は、僕のような影という影で生きてきたオタクの気持ちなんて分からないし見向きもしないだろうな。
もし仮に目をつけられてしまったら、キモい、こわい、だの散々罵られる未来しか見えませんな。
というか男子校だから入学した、みたいなとこあるのになんで女子高生がいるわけ??????
こちとらあの娘とすれ違うだけでも冷や汗かいて必死こいてるのだが????
だけどそんな毎日が、イデア・シュラウドの運命られた日々だったんだよ。
そうだったはずなのに。