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女の私の憂鬱 ー高校編ー

第1章 入学式ープロローグー


春、出会いと別れの季節。

今日は俺が通う誠凛高校の入学式。

それが終わり、部活動勧誘が今、現在進行形で行われていた。

「うわあ…なんだ、これ」

部活動勧誘があるのは分かっていたが、これほどにごった返す事があるのかと思うほど、酷かった。

「ねえねえ、そこの君!野球部入んない?」

「え?俺、女なんスけど…?」

「水泳なんてどう?気持ちいいよ!」

「陸上部!陸上部どう!?」

歩けば、色んな部活から声やらチラシやらをくれたりする。

(人酔いしそう…)

しかもだいたいが女子からの勧誘って…

「あ、氷童さんじゃないですか?」

すると良く知った声が耳に飛び込んできた。声のした方に振り向くと…。

「おう!黒子じゃん、久し振り」

帝光中バスケ部の幻のシックスマンである黒子テツヤが本を片手にこちらに歩いてきていた。

「お久し振りです、氷童さん」

「お前も誠凛だったんだよな~黒子はやっぱ、バスケ部?」

「はい、氷童さんはどうするんですか?」

「んー俺もバスケ部かな?バスケ部入ってれば、皆に会う機会もあるしな」

「そうですね」

知り合いに出会い、少しホッとした気持ちになった。部活動勧誘をどうにか避け、バスケブースに到着する前に。

ドンッ

「いてっ…わりぃ」

誰かにぶつかった。その主を見れば…。

「わり…」

(うわあ…こいつ、身長高っ!!しかも、迫力がすげぇ…虎かよ)

人目見ただけでそう印象を抱いた。それだけ迫力が彼にはあった。彼は一言侘びを入れただけですぐ、何処かへ行ってしまった。

「大丈夫ですか?氷童さん」

「あぁ…」

「彼、バスケ部でしょうかね?」

「身長あったしな、バスケ部っぽいな」

彼の話をしながら黒子はバスケ部の入部届を書いて出した。(だが、受付の人は気づかず)俺も受付の人にマネージャーとして入部する事を話し、了承を得た。
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