第1章 入学式ープロローグー
「あ、ここです」
「…ってえ?」
体育館の中を見た皆は唖然とした。
「…片面…でやるの?」
そう体育館の半分は海常高校のバスケ部が絶賛練習中だった。
「ああ、来たか、今日はこっちだけでやってもらえるかな」
海常高校バスケ部監督の武内さんが俺達に気付き、そう言った。
「こちらこそよろしくお願いします、…で、あの…これは…?」
カントクの質問に武内監督は何気なく答える。
「見たままだよ、今日の試合ウチは軽い調整のつもりだが…出ない部員に見学させるには学ぶものがなさすぎてね」
この監督…言いたいこと言ってくれるな…
「無駄をなくすため、他の部員達には普段通り練習してもらってるよ、だが調整と言ってもウチのレギュラーのだ」
それに付け加えるように
「トリプルスコアなどにならないように頼むよ」
言いたいことだけを言われてこっちも黙ってはいられない。黄瀬も出るつもりだったらしいが監督に出さないと言われ、俺達に更なる追い打ちをかけた。
「オレを引きずり出すこともできないようじゃ…「キセキの世代」倒すとか言う資格もないしね」
まあ、黄瀬の言っていることも最もだ。怪物のようなキセキの世代。黄瀬のように全員が成長しているなら…。
ここで勝たなきゃ一歩が踏み出せない。